オペラ絵本について詳しくはページ下の方へ
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さて2019年2月24日(日)に岐阜の大垣市青墓地区センターにて
行われましたオペラ絵本『そなたは。』が無事上演終わりましたので
ちょっと長いですが、ここに記しておこうかと思います。
■制作のこと
もともとこのお話がぼくのところにやってきたのは、2013年公開(制作は2012年)のweb絵本「夜叉ヶ池伝説」のイラストを描いたのがきっかけでした。(※岐阜県にある横山ダムのキッズコーナー内コンテンツ)
http://www.cbr.mlit.go.jp/kisojyo/yokoyama/kids/index.html
ただ、すんなりとたどりついたわけではなく昨年の5月頃からはじめたイラストレーター探しが難航し、途中「夜叉ヶ池伝説」のweb絵本に出会ったものの、これも横山ダムさんに聞いても作者がわからず・・・という中で、たまたまぼくのwebをメンバーの方が発見され、ようやくたどりついたという遠回りでした。(ある意味、昨年だと動けなかったかも。)
主催の特定非営利活動法人「ぶんかのタネ」の理事長さんが家にみえて、そんな経緯をお聞きしたときは、すでに1月の後半。つまり公開まで一ヶ月ほどだったのです。さあ、どうしたもんだ。すでに他の仕事でスケジュールは埋まっています。
う~んと思いつつも、今回のオペラ絵本および「ぶんかのタネ」活動への想いや、「文化」の大切さなどを色々お聞きするうちに、口から出てきた言葉は「やりましょう!」でした。伝えていただいた想いにはやっぱり答えたいなあ、と。
と、まあそんな感じで制作がはじまり、お聞きすると歌なしの楽曲データはあるとのことで、制作中はそのBGMをひたすら流しながら「そなたは。」の世界に入って描きすすめてました。
平安時代の夜叉と、江戸時代の芭蕉が時空を超えて入れ替わるというお話なのですが、web絵本の昔話!というノリとはまた少し違うので、元のキャラを生かしつつ、ファンタジー感をいれつつ、「そなたは。」の物語の世界に入り込んで、ある時は芭蕉になり、ある時は夜叉になり、ある時は龍神になり、ある時は九頭竜大神となり、ひとつの物語を描きこんでいくのはとても楽しい時間でした。
そんなこんなで途中ケガとかしたらどうしようなんて思いつつも、なんとか当日の5日前ほどに一通り完成することができました。ホッと一安心。あとはぼくは観客として当日をむかえるのみです。
■当日のこと
ということで当日会場へ。のどかな春のようなきもちいのいいお天気です。
第一部は紙芝居・館長さんのお話・夜叉の父、安八太夫安次の子孫:47代目石原伝兵衛さんのビデオでのお話があり、つづいて第二部がオペラ絵本です。
劇場とかではなく、会場はコミュニティセンターです。会場の奥には小さな舞台があり、正面には大きなスクリーン。その左右に朗読劇のナレーターと役を演じる池田高校演劇部のみなさん。舞台の手前、むかって右には夜叉・芭蕉・龍神・九頭竜大神を演じる歌手のみなさん、むかって左にはピアノ・フルート・ヴァイオリン・コントラバスの楽団のみなさん。
そんなわけでオペラ絵本「そなたは。」がはじまりましたが、制作中にひたすらBGMを流していたので、オープングの曲が生演奏ではじまっただけで、語彙力ないですが、うわ~~~~~~~~って感じでした(笑) そしてBGMでは、はいってなかった歌。それぞれの役の方の迫力のある生声がまた、うわっ~~~~~~~~~~~~~(笑)
絵本の読み聞かせのように物語の朗読、それにそって絵や写真が紙芝居のようにめくられ、そこにセリフがあり、迫力のある歌があり、そのバックでは生演奏があり、あーこれがオペラ絵本なんだ、と。
いわゆる普通のオペラを上演しようと思うと、人員の確保や、準備期間またそれに付随するお金を考えるとかなりの金額になります。その辺の色んな意味での敷居を低くして、もっと身近なものにするために、今回のオペラ絵本という形に行きついたそうです。
声楽家のみなさん、演奏家のみなさん、高校演劇部のみなさん、脚本家の方、そしてイラストレーター。それぞれの分野の人間が集まって、ひとつの空間を作れたことは本当に楽しかったです。リアルタイムでそれぞれのやっていることがひとつになる感覚はとてもここちのよいものであり、当日のぼくは観客ではあったものの、なんだかよい緊張感もありました。
準備からはじめてここにいたるまでに、本当にいろいろなことがあったかと思います。ぼくは最後の最後で途中参加した感じですが、当日こうしてひとつの空間がつくりあげられる場にいれたことは、とても感慨深かったです。制作の時間も含め、本当にいい時間でした。見に来ていただいた方、また「ぶんかのタネ」のみなさん、声楽家、演奏家のみなさん、池田高校演劇部のみなさん、関係者のみなさん本当にありがとうございました!
あれから帰宅後も、「そなたは。」の曲が脳内をループして、気がつけば口ずさんでいました。
ps.タイトルに「森のくじら」とあったので席の前にいた小さな子たちが「森のくじら」ってなんだろうね?木でできたくじらかな、葉っぱでできたくじらかな?なんて話するのを、後ろで「ごめん。きみたちの後ろにいるおじさんだよ」って思いながら聞いてました。その後、主催者さんから「イラストを描かれた森のくじらさんです」と紹介されこちらをハッ!と振り向いたこどもたちは何を思ったんだろうな(笑)
------------
■オペラ絵本を通じて考えた色々なこと。
最後に今回のオペラ絵本を通じて考えたもろもろを。
「文化」というと正直あまりピンときていなくて今もそれはあんまり変わらないんだけれど、たとえば高校生たちがプロの演奏家・声楽家さんたちと一緒に何かをする機会であったり、地域に残る伝説や人についてあらためて知ることはなんかいいことだな、と。
あと、なかなかイラストレーターさんに出会えなかったという話を聞いたときに、ぼくの周りはイラストレーターさんだらけなので、なんで?こんなにいるのに?と思ったのだけれど、例えば出版社さんなど密接な関係にあるところは例外で、普通はそれぞれのグループ内の横のつながりはあれど、異なるグループ同士のつながりというのがなかなか難しいんだな、と。
そういう意味ではぼくも演奏家さんや声楽家さんと出会う機会はほぼほぼなかったので、あらためて考えるとそんなもんかぁーという感じでした。
でも、こういう機会でつながりができることで、小さなタネが成長していくように、また何か違う形でひろがったり、つながったりして花が咲いていくとおもしろいだろうな、と。まさにぶんかのタネですね。
別の側面でいえば、そのつながりの中で利益を生み出せるようなことをしていくのも、それはそれでひとつの道ではあるかとは思います。なにぶん、特にイラスト関係は利益を生み出すのが厳しいところがあるので、どうやって絵で音楽で生活をしていくのかという仕組みづくりは、関わる高校生たちとかにとっても、いい刺激になるのではと。とはいえ、ぶんかのタネさんの場合は、特定非営利活動法人なのでまた趣旨は違うので、あくまでも個人的につらつらと浮かんだことですが。
ということで、色々とよい刺激をいただきましたので、仕事も作品づくりも、その他の活動も、またがんばってやっていこうかと思います。今後ともよろしくでございます!
行われましたオペラ絵本『そなたは。』が無事上演終わりましたので
ちょっと長いですが、ここに記しておこうかと思います。
■制作のこと
もともとこのお話がぼくのところにやってきたのは、2013年公開(制作は2012年)のweb絵本「夜叉ヶ池伝説」のイラストを描いたのがきっかけでした。(※岐阜県にある横山ダムのキッズコーナー内コンテンツ)
http://www.cbr.mlit.go.jp/kisojyo/yokoyama/kids/index.html
ただ、すんなりとたどりついたわけではなく昨年の5月頃からはじめたイラストレーター探しが難航し、途中「夜叉ヶ池伝説」のweb絵本に出会ったものの、これも横山ダムさんに聞いても作者がわからず・・・という中で、たまたまぼくのwebをメンバーの方が発見され、ようやくたどりついたという遠回りでした。(ある意味、昨年だと動けなかったかも。)
主催の特定非営利活動法人「ぶんかのタネ」の理事長さんが家にみえて、そんな経緯をお聞きしたときは、すでに1月の後半。つまり公開まで一ヶ月ほどだったのです。さあ、どうしたもんだ。すでに他の仕事でスケジュールは埋まっています。
う~んと思いつつも、今回のオペラ絵本および「ぶんかのタネ」活動への想いや、「文化」の大切さなどを色々お聞きするうちに、口から出てきた言葉は「やりましょう!」でした。伝えていただいた想いにはやっぱり答えたいなあ、と。
と、まあそんな感じで制作がはじまり、お聞きすると歌なしの楽曲データはあるとのことで、制作中はそのBGMをひたすら流しながら「そなたは。」の世界に入って描きすすめてました。
平安時代の夜叉と、江戸時代の芭蕉が時空を超えて入れ替わるというお話なのですが、web絵本の昔話!というノリとはまた少し違うので、元のキャラを生かしつつ、ファンタジー感をいれつつ、「そなたは。」の物語の世界に入り込んで、ある時は芭蕉になり、ある時は夜叉になり、ある時は龍神になり、ある時は九頭竜大神となり、ひとつの物語を描きこんでいくのはとても楽しい時間でした。
そんなこんなで途中ケガとかしたらどうしようなんて思いつつも、なんとか当日の5日前ほどに一通り完成することができました。ホッと一安心。あとはぼくは観客として当日をむかえるのみです。
■当日のこと
ということで当日会場へ。のどかな春のようなきもちいのいいお天気です。
第一部は紙芝居・館長さんのお話・夜叉の父、安八太夫安次の子孫:47代目石原伝兵衛さんのビデオでのお話があり、つづいて第二部がオペラ絵本です。
劇場とかではなく、会場はコミュニティセンターです。会場の奥には小さな舞台があり、正面には大きなスクリーン。その左右に朗読劇のナレーターと役を演じる池田高校演劇部のみなさん。舞台の手前、むかって右には夜叉・芭蕉・龍神・九頭竜大神を演じる歌手のみなさん、むかって左にはピアノ・フルート・ヴァイオリン・コントラバスの楽団のみなさん。
そんなわけでオペラ絵本「そなたは。」がはじまりましたが、制作中にひたすらBGMを流していたので、オープングの曲が生演奏ではじまっただけで、語彙力ないですが、うわ~~~~~~~~って感じでした(笑) そしてBGMでは、はいってなかった歌。それぞれの役の方の迫力のある生声がまた、うわっ~~~~~~~~~~~~~(笑)
絵本の読み聞かせのように物語の朗読、それにそって絵や写真が紙芝居のようにめくられ、そこにセリフがあり、迫力のある歌があり、そのバックでは生演奏があり、あーこれがオペラ絵本なんだ、と。
いわゆる普通のオペラを上演しようと思うと、人員の確保や、準備期間またそれに付随するお金を考えるとかなりの金額になります。その辺の色んな意味での敷居を低くして、もっと身近なものにするために、今回のオペラ絵本という形に行きついたそうです。
声楽家のみなさん、演奏家のみなさん、高校演劇部のみなさん、脚本家の方、そしてイラストレーター。それぞれの分野の人間が集まって、ひとつの空間を作れたことは本当に楽しかったです。リアルタイムでそれぞれのやっていることがひとつになる感覚はとてもここちのよいものであり、当日のぼくは観客ではあったものの、なんだかよい緊張感もありました。
準備からはじめてここにいたるまでに、本当にいろいろなことがあったかと思います。ぼくは最後の最後で途中参加した感じですが、当日こうしてひとつの空間がつくりあげられる場にいれたことは、とても感慨深かったです。制作の時間も含め、本当にいい時間でした。見に来ていただいた方、また「ぶんかのタネ」のみなさん、声楽家、演奏家のみなさん、池田高校演劇部のみなさん、関係者のみなさん本当にありがとうございました!
あれから帰宅後も、「そなたは。」の曲が脳内をループして、気がつけば口ずさんでいました。
ps.タイトルに「森のくじら」とあったので席の前にいた小さな子たちが「森のくじら」ってなんだろうね?木でできたくじらかな、葉っぱでできたくじらかな?なんて話するのを、後ろで「ごめん。きみたちの後ろにいるおじさんだよ」って思いながら聞いてました。その後、主催者さんから「イラストを描かれた森のくじらさんです」と紹介されこちらをハッ!と振り向いたこどもたちは何を思ったんだろうな(笑)
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■オペラ絵本を通じて考えた色々なこと。
最後に今回のオペラ絵本を通じて考えたもろもろを。
「文化」というと正直あまりピンときていなくて今もそれはあんまり変わらないんだけれど、たとえば高校生たちがプロの演奏家・声楽家さんたちと一緒に何かをする機会であったり、地域に残る伝説や人についてあらためて知ることはなんかいいことだな、と。
あと、なかなかイラストレーターさんに出会えなかったという話を聞いたときに、ぼくの周りはイラストレーターさんだらけなので、なんで?こんなにいるのに?と思ったのだけれど、例えば出版社さんなど密接な関係にあるところは例外で、普通はそれぞれのグループ内の横のつながりはあれど、異なるグループ同士のつながりというのがなかなか難しいんだな、と。
そういう意味ではぼくも演奏家さんや声楽家さんと出会う機会はほぼほぼなかったので、あらためて考えるとそんなもんかぁーという感じでした。
でも、こういう機会でつながりができることで、小さなタネが成長していくように、また何か違う形でひろがったり、つながったりして花が咲いていくとおもしろいだろうな、と。まさにぶんかのタネですね。
別の側面でいえば、そのつながりの中で利益を生み出せるようなことをしていくのも、それはそれでひとつの道ではあるかとは思います。なにぶん、特にイラスト関係は利益を生み出すのが厳しいところがあるので、どうやって絵で音楽で生活をしていくのかという仕組みづくりは、関わる高校生たちとかにとっても、いい刺激になるのではと。とはいえ、ぶんかのタネさんの場合は、特定非営利活動法人なのでまた趣旨は違うので、あくまでも個人的につらつらと浮かんだことですが。
ということで、色々とよい刺激をいただきましたので、仕事も作品づくりも、その他の活動も、またがんばってやっていこうかと思います。今後ともよろしくでございます!